透き通るような青みを帯びた空、何もかもを吸い込んでしまいそうなほどに青い空が遠くまで広がっている。

境界線の先まで広がっているのではないか、と錯覚してしまいそうになるほどだった。




遠くに、届け。
遠くに、届け。




「せーの」


合図とともにアコースティックギターの音色とどこまでも透き通った歌声が遥か遠くまで響く。

私の指が、彼の口が動き出すと、ふたつの音が重なって、静かに、儚く、余韻を残して消える。





ねえ、蒼太くん。



「届いたかなあ」
「届いたと思う、多分」



あれから、色々なことがあったんだよ。
覚えてないことも沢山あるほど、色々なことがあったんだよ。

会いたくなって泣いた。
寂しくなって泣いた。


空を見る度に、蒼太くんを思い出す度に
胸が締めつけられた。


どうしたらいいのか、わからなくて、
生きられる自信がなくて、

眠れない日も明日を迎えるのがこわい日もたくさんあった。



わらったことを数えるより、泣いたことを数えたほうが多いけど、私なりに頑張ったよ。