「はぁ……っ……」


視界がぼやけて、声が出なくて、それでも私は泣き続ける。私の涙がノートに落ちるけれど、これは私だけの涙じゃなくて、ボールペンで書かれた文字の隣にはいくつもの雫が浮かんでいた。




「……そう……たくん」

もう1ページ捲ると私がいた。空や星、夕焼け、朝焼けがあって、ノートの真ん中には大空の下で笑っている私がいた。



『俺は綺麗なものしか撮らない』



鏡を見て意識的に作った笑顔じゃない、青空の下で楽しそうに笑う私がいた。

自分の顔を改めて見るのはちょっと恥ずかしいけれど、自分の笑っている顔は初めて見たかもしれないな、と思う。



私はこの笑顔で彼の隣に並んでいた。

蒼太くんの目に映った私、蒼太くんが見た世界がそこにはあって、確かに力強く存在していた。