俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

それでも相手に自分の思いを伝えられない気持ち、自分を卑下してしまう気持ち、自分の存在価値を否定してしまう気持ち、相手に弱さを見せられない気持ち、強くいたい気持ちは痛いほどわかったし、誰かに憧れてしまう気持ちもわかった。




「私……ぜんぜん気づけなかった……っ」

後付けというわけじゃないけれど、全部知った上で蒼太くんと過ごした日々を思い返してみると違和感を覚える行動、言動はたくさんあった。




『今日って何日?』

『高校もバイトも辞めた。もう行けないし』


『綺麗なものって忘れたくねえじゃん、だから撮ってる』
『心のカメラじゃダメなの?』

『……それじゃいつか忘れるだろ、俺は綺麗なものしか撮らないからいつでも見られるように残したいんだよ』


『お前、ちゃんと道覚えておけよ』
『無理、蒼太くん覚えておいてよ』

『無理、覚えておきたいけど、俺覚えていられない、すぐ忘れる』
『じゃあ、真っ直ぐ進もう』