何度も通った田舎道、憂鬱だった電車のアナウンス、イヤホンをしながら過ぎた駅前、同じ学校の人と絶対に会ってしまう学校近くの道をひとつひとつ大切に、大事に、惜しむように歩いた。



クラスはいつも以上に騒がしくて、まだ入試を終えてない人がほとんどなのに、クラスメイトは大声で笑っていた。

テンションが高くて、声が大きくて、笑い声も大きくて、みんなみんな笑顔を浮かべている。



それもそのはず。２０✕✕年 ３月１日。
今日は自由になれる日、狭くて、窮屈な学校から羽ばたける日、すこし大人になれる日だ。




学校から抜け出せるから、清々しい気持ちでいられるのかはわからないけれど、多少はあると思う。