大切なものを掴まなければ、失う必要もまた失くす必要もないって、そう思わずにはいられなかった。
けれど、私はその間にたくさんのものを失っていたのだろう、手元をすり抜けていたのだろう。目に見えるものばかりを気にして、目に見えない儚なくて、尊いものをたくさんたくさん自らの手で失くしていた。
人と人との関係、人の思い、そして私の思い、大切なものはいつもそこにあった。
モノは簡単に直せるのに、ボンドひとつで直せるのに、人と人との尊い関係、儚い思いは簡単に直せなくて、戻れなくて、いま気づいても遅すぎる、失ったものは簡単に帰ってこない。
けれど、まだ間に合うものがあるのなら、失わないで済むものがあるのなら私は全力で掴みに行きたいと思う。
「お母さん、お兄ちゃん私ね──」
空っぽだから楽なのかもしれない、唯一残っている「後悔」が私の背中を押してくれるのかもしれない。
私はこの真っ白のキャンパスに何が描けるのだろう。
けれど、私はその間にたくさんのものを失っていたのだろう、手元をすり抜けていたのだろう。目に見えるものばかりを気にして、目に見えない儚なくて、尊いものをたくさんたくさん自らの手で失くしていた。
人と人との関係、人の思い、そして私の思い、大切なものはいつもそこにあった。
モノは簡単に直せるのに、ボンドひとつで直せるのに、人と人との尊い関係、儚い思いは簡単に直せなくて、戻れなくて、いま気づいても遅すぎる、失ったものは簡単に帰ってこない。
けれど、まだ間に合うものがあるのなら、失わないで済むものがあるのなら私は全力で掴みに行きたいと思う。
「お母さん、お兄ちゃん私ね──」
空っぽだから楽なのかもしれない、唯一残っている「後悔」が私の背中を押してくれるのかもしれない。
私はこの真っ白のキャンパスに何が描けるのだろう。



