「愛結ちゃんってこないだ亡くなった人と知り合いだったんでしょ?」
「あの人身事故の?おっきな事故だったよね?」

「うん、だからいまそういうふうに責め立てるのはよくないと思う」




学校なんて大っ嫌いだったけれど、悪い人ばかりじゃなくて、ちゃんとまわりを見れば優しい人だっている。






「先生、私、合格しました」
「短時間で合格、やっぱり賢いねえ……」




私が途中で進路変更したことによって、きっと大人には迷惑をかけたけれど、理由を話して、私の話を最後まで聞いて反対する大人は私のまわりにはひとりもいなかった。

震えながら口を開いたけれど、杞憂だった、また私のひとりよがりだった。



「頑張れ」優しい言葉が返ってきたし、手続きも勉強も手伝ってくれる大人がちゃんといた。

私はずっと大人が大嫌いだった。