『蒼太、ぼーっとしてたんだって、なんかあった?』
『当たり前じゃん。蒼太くんなんて大っ嫌い、私の前から消えて!!!!!』
私のせいだ、私のせいで蒼太くんはいなくなった。私の前から本当に消えてしまった、もう二度と会えない人になってしまった。
こないだまで近くにいた人、そばにいた人が呆気なく消えた、私の言葉で消えた。
私があの手を掴んでいれば、私があの背中を追いかけていれば、私があんな言葉を投げなければ、私の隣にきみはそばにいたかもしれない、私の隣にいなくてもきみは生きていたかもしれない。
過去は変えられない、過去には戻れない、あの日には戻れない。
あのときああしていれば、といくら思ってもいなくなった人は帰ってこない。
どうしてあんなに強く言ってしまったのだろう、どうしてきみの本音に気づけなかったのだろう、どうして自分の気持ちを言えなかったのだろう。
深淵に突き落とされる、私はどうしたらいいんだろう。



