あの背中を追いかけなかったこと、大嫌いと嘘をついてしまったこと、最低な言葉をぶつけたことを私は一生後悔することになる。

あの背中を追いかけていれば、私を掴んでくれた手を掴んでいれば、きみの思いを聞いていれば、こうはならなかったのだろう。



あの背中を追いかけて、「すき」って伝えられていたら、あの背中を追いかけて、「ごめんね、嘘だよ」って伝えられていたら、未来は変わっていましたか、私の隣にきみはいましたか。




私は早足で家に帰って、お風呂に入ったあと即ベットにダイブした。あのときは感情的になって気持ちをぶつけてしまったけれど、冷静になって考えてひどく後悔した。

そもそも蒼太くんは悪くなくて、悪いのはホイホイついて行った私だった、約束を守れなかった私だった。



連絡しても出ないだろうし、明日はあの丘に来ないだろうから、私は麗音さんに伝えてもらおうと思ってスマホを取り出す。

数多い着信があって、驚いたけれど、それは全部麗音さんからの連絡だった。




そして電話がふたたびかかってきて、赤い電話マークを押して電話に出る。





「はい」

いつものように、「愛結ちゃん!」って出てくれると思ったのに、麗音さんから聞かされたのは、











『愛結ちゃん……蒼太が大型トラックに轢かれて亡くなったって』



麗音さんの残酷な言葉だった。