信じなきゃよかった、近づかなきゃよかった、特別な感情を抱かなきゃよかった、約束通りすきにならなきゃよかった、と思ってしまうくらい苦しかった。
「いまの全部ほんと?」
ちょっと後ろにいる彼が私に問いかけた。違うって言ったらどうするのだろう、ほんとうって答えたらどうするのだろう、彼は何がしたいのだろう。
「当たり前じゃん。嫌いだよ、私の前から消えて」
ジャリっと歩き始める音が聞こえてきて、私は振り向いて滲んだ視界の先にいる彼を見た。
いつもより弱々しい気がするのは私だけだろうか、それとも私と離れられて清々しいのだろうか。
何回も見た背中、何回も見た髪、何回も聞いた声、それが全部離れていく、1センチ、また1センチ離れていく。
振り向くことなく私と正反対の道を進む彼を見ていられなくなって私も足を進める。
「いまの全部ほんと?」
ちょっと後ろにいる彼が私に問いかけた。違うって言ったらどうするのだろう、ほんとうって答えたらどうするのだろう、彼は何がしたいのだろう。
「当たり前じゃん。嫌いだよ、私の前から消えて」
ジャリっと歩き始める音が聞こえてきて、私は振り向いて滲んだ視界の先にいる彼を見た。
いつもより弱々しい気がするのは私だけだろうか、それとも私と離れられて清々しいのだろうか。
何回も見た背中、何回も見た髪、何回も聞いた声、それが全部離れていく、1センチ、また1センチ離れていく。
振り向くことなく私と正反対の道を進む彼を見ていられなくなって私も足を進める。



