私は彼の顔を見られなくて、地面を見ながら自分の気持ちをひたすら吐いて、涙目になった私を見られないように、声が弱々しくならないように強気になっていた。





「約束守るよ。これからも過ごしたいなんて言ってないし、蒼太くんをすきになるなんて絶対にありえないし、深入りしてきたのはそっちだし。もういい、私行く」



私は最後まで自分の目に彼を映せなかった。スカートを翻して来た道を戻ると彼との距離がどんどん遠くなっていく。

涙が溢れそうだったけれど、泣かなかった、どうして私が最低な男のために泣かなきゃいけないのかわからない。




私は信じていたのに、信じて裏切られる気持ちを彼に話したのに、彼は私の気持ちは理解していなかった。

私が救われた言葉、私を認めてくれた言葉、口づけ、抱きしめた腕、優しい笑み、意地悪な笑み、繋いでくれた手、あれが全部嘘だったと思うだけで悲しくなった。