俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

３秒くらい私を見つめたあと「愛結？」と懐かしい声が私を呼んで、久しぶりに会ったけれど緊張はすぐに解けた。




お父さんは私たちが元々住んでいたところに住んでいなくて、県をまたいで住んでいた。

一緒にいなかった６年間のこと、離婚したあとの生活、あの頃は子供でまだ理解できなかった話、思い出せないほどたくさんの話をして。



私に見せてくれた封筒の中には受け取るのを躊躇われたくらいの大金が入っていて、お母さんがいままで受け取らなかった養育費だった。負けず嫌いのお母さんだから、自分のお金で私たちを育ててくれたんだと思う。

自分とお母さんは似ている、と言われたし、私もそう思っている。




『一緒に住んでいなくても家族だよ』

お父さんは私たちのことなんか忘れて、生きているんだろうって、下手したら再婚でもして楽しい日々を送っているんだろうって思っていたけれど、それはまた私のひとりよがりで。