俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

自分には到底できないのに、彼女を傷つけようとする世界から守りたくなる、半分背負いたくなる。

それでも自分はそんな資格ない、自分じゃ彼女を守ることはできない。



彼女の真っ白な細い指に自分の指を絡めて、顔を寄せると、彼女のくちびるから細い声が洩れる。

薄いくちびるに自分のくちびるをくっつけると熱を帯びた彼女のひとみが自分に向く。



何度も重ねた。受け身だった彼女が自らくちびるを寄せて、自分のそれに何度も何度も重ねていた。

彼女が離れないように、離れていかないようにきつく抱くけれど、いずれ離れるんだろう。

慣れていないくせに、自分に合わせて呼吸をし、熱い息を吐きながらくちびるを合わせてくる彼女に自分は何も残せない。






自分の腕の中で眠る彼女の無防備な顔、滅多に見られない無防備な顔を見て切なくなる。

もう最後だから、と言って背中に回した手に力を込めると切なさがまた溢れてきた。





ごめん、限界だから、離れたい。