俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】











蒼太くん、と呼ぶときは真っ白な肌によく映える薄ピンクのくちびるが動いて、わらったときは大きな目が細くなって、悲しそうにするときはカールされた長い睫毛が下を向く。

服からわずかに除く腕は白くて細くてすこし力を加えたら折れてしまうほど華奢だった。



触れたら壊れてしまいそうなほど脆くて、儚くて、だけど誰よりも飄々としていて。

友達も多いだろうし、男モテしそうな顔つき、彼女のまわりには人が溢れているはずなのに、掴みどころがなくて、いつも人と距離を置いている。



頭がいいくせにバカで、頭がいいからバカ正直で、ずるくなればいいのにいつだって真面目な彼女が自分の胸に顔を委ねている。

自分の腕を回した背中は細くて、このちいさな背中に抱えきれないほど重いものを背負ってきた、と思うだけで切なくなって。