蒼太くんに何か言われたわけじゃない、それでも私はこの日々が続くとは思えなかった。蒼太くんはこんな人じゃない、理由もないのにこんなことしない、きっと彼はなにか隠してる。
このまま幸せになって、ハッピーエンドを迎えることはない。
「……っ」
蒼太くんの右手が私の頭の下に置かれて、私の背中が硬い床に当たっている。私の頭を抱え込んでいる左手が、私の頭の下に置いてある右手が、私の首筋に埋めている顔が驚くほどに震えている。
「蒼太くん……?」
「……………苦しい?」
「苦しくない」
「ん」
自分の両手で彼の頬を包んで自分のほうに引き寄せた。蒼太くんが切なそうに顔を近づけるたびに鼻を掠めるシトラスの香り、感じる体温、鼓動が愛おしかった。
離れないように、壊れないように、私よりずっと大きな背中に手を回して、私の首筋に顔をつけて切なそうに息を洩らす彼の頭をもう片方の手で撫でる。
「俺だって……離れたくねえよ」
弱々しい声の理由はまだわからない。
きっと夜は明ける。
ずっと嫌いだったけれど、明けない夜はなくて、またいつも通り朝が来て、私は現実に戻される、そしていずれこの関係も終わる。
恋は楽しくて、ふわふわしているものだと思っていたのに、蒼太くんを想えば想うほど痛くて、切なくて、何度も胸が張り裂けそうになった。
苦しいのに、そばにいたくて、会いたくて、声が聞きたくて、どうしようもないくらい愛おしくて、私はこの人のそばにいたいと思う。
蒼太くんがいるだけで、世界がキラキラして、蒼太くんの言葉が私の胸を温かくして、触れられたときの温もりがずっと私の中に残っている。
このままこの時間がずっと続いてほしいって思うのが幸せだとしたら、私はいま人生の中で一番幸せなのかもしれない。
無防備な寝顔を見ながらそう思った。私の背中に蒼太くんの腕が回っていて、私はそれに応えるように身を寄せて、自分の頭を蒼太くんの胸に預けた。
きみの隣は温かくて、幸せで、涙が零れるほどに愛おしかった。
このまま幸せになって、ハッピーエンドを迎えることはない。
「……っ」
蒼太くんの右手が私の頭の下に置かれて、私の背中が硬い床に当たっている。私の頭を抱え込んでいる左手が、私の頭の下に置いてある右手が、私の首筋に埋めている顔が驚くほどに震えている。
「蒼太くん……?」
「……………苦しい?」
「苦しくない」
「ん」
自分の両手で彼の頬を包んで自分のほうに引き寄せた。蒼太くんが切なそうに顔を近づけるたびに鼻を掠めるシトラスの香り、感じる体温、鼓動が愛おしかった。
離れないように、壊れないように、私よりずっと大きな背中に手を回して、私の首筋に顔をつけて切なそうに息を洩らす彼の頭をもう片方の手で撫でる。
「俺だって……離れたくねえよ」
弱々しい声の理由はまだわからない。
きっと夜は明ける。
ずっと嫌いだったけれど、明けない夜はなくて、またいつも通り朝が来て、私は現実に戻される、そしていずれこの関係も終わる。
恋は楽しくて、ふわふわしているものだと思っていたのに、蒼太くんを想えば想うほど痛くて、切なくて、何度も胸が張り裂けそうになった。
苦しいのに、そばにいたくて、会いたくて、声が聞きたくて、どうしようもないくらい愛おしくて、私はこの人のそばにいたいと思う。
蒼太くんがいるだけで、世界がキラキラして、蒼太くんの言葉が私の胸を温かくして、触れられたときの温もりがずっと私の中に残っている。
このままこの時間がずっと続いてほしいって思うのが幸せだとしたら、私はいま人生の中で一番幸せなのかもしれない。
無防備な寝顔を見ながらそう思った。私の背中に蒼太くんの腕が回っていて、私はそれに応えるように身を寄せて、自分の頭を蒼太くんの胸に預けた。
きみの隣は温かくて、幸せで、涙が零れるほどに愛おしかった。



