俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

「結構泣き虫だな。今度はなんで泣いてんの?」


ぼやけた視界の先にいる蒼太くんは初めて会ったときとは比べ物にならないくらい優しい顔をしていた。

私が瞬きを繰り返して、涙を引っ込めようとすればするほど、涙の膜が張って、壊れて膝の上に置いた手のひらに落ちてくる。




「泣きたいときは泣けよ」




頑張り続けることが苦しかった。ちょっとばっかり逃げないで完全に逃げればいいのにできない自分が嫌いだった。



私がいくら動いていても誰も私を見ていない、見えたとしても誰かの目に映る私は嘘の私だった。誰かを騙して、誰かに嘘をついて自分という存在を作ることがずっとずっと苦しかった。

みんなの中の私でいるために、嘘の自分を見せて、本当の私を見失ってしまうことがこわかった。




私じゃなきゃいけないことはなくて、当たり前だけど、私ひとり消えても世界はいつも通り回る。世界中のほとんどの人は私がいなくなったことにも気づかないし、困らない。