俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

「うん」と頷く。ここに来たからといってあの日のようになにか見つけられたわけではない。静かな道をふたりで歩いて、知らない土地に来ただけだから、何も変わっていない。




「逃げてきちゃっただけだけど…………」
「ま、逃げるのも大事だろ、たまにはな」



たまには、と麗音さんも言ってくれたけれど、私は逃げているだけなのではないか。今日の行動も冷静になって思い返してみるとひどく無意味で、自分勝手のように思えてくる。

蒼太くんまで巻き込んでしまって、私な何をしているんだろうと思う。自分は怒られても仕方がないのに、離婚のことまで持ち出して何をしているんだろう。



離婚と言ったときのお母さんの顔は見られなかったけれど、傷ついたに違いない。




「私は逃げてばっかだもん、弱虫だし、臆病者だし」