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靴の中に入る砂利、握られた手はジュワッと汗が滲んで、顔はヒリヒリして痛くて、足は棒。
ちいさな部屋にちいさなソファー、残念ながら電球は切れていた。山道の途中にあったちいさな休憩所だけど鍵は閉まっていなかった。
埃っぽいし、所々錆びているし、人の出入りはほぼないということがわかる。
こんなに歩いたことはあっただろうか、こんなに足が動かなくなったことはあっただろうか。身体も疲れていたから、こわそうとか不法侵入にならないかとか気にしている暇はなかった。
狭い部屋に腰を下ろした私たちはあまりの寒さに身震いしている。幸い外よりは暖かいからマイナスにはならないだろう。
凍死はしない。
息も身体も落ち着いてきた頃、私は口を開いた。
「ごめんね、こんなところまで……ありがとう」
「ん、いいよ。満足?」



