俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

それは脅しじゃない。季節は冬、1月、ひとりでここで過ごしたら確実に凍死してしまうだろう。

命の危機も伴う逃亡だけど、私は絶対に帰りたくなかった、でも目的もわからなかった。





「凍死って寝たまま死ねるんだよね……」

私は静かな声でつぶやいたのに、まわりが静かだから蒼太くんが私の声を拾ってしまった。蒼太くんは「何言ってんだよ」と言って、私の手を掴む。



「お前は良くても俺は嫌だからな、そんなの」



掴まれた手があたたかくなった、私の頼りない白く細い指に男の人のゴツゴツした指が絡まる。私の冷たい手を蒼太くんの温かい手が包み込む、たったそれだけなのになぜか安心した。

うつむきながら彼の顔をちらっと見たけれど、冷静沈着な顔をしていたからドキドキしているのは私だけなのだろう。