「お前、ちゃんと道覚えておけよ」
「無理、蒼太くん覚えておいてよ」
「無理、覚えておきたいけど、俺覚えていられない、すぐ忘れる」
「じゃあ、真っ直ぐ進もう」
ここはどこだろう。わずかな光、街灯すらもなくなった道、シーンと静まり返った道を真っ直ぐ真っ直ぐ歩く。
海の底のように静かで冷たくて、太陽や光は死んでしまったかのような静寂が奥まで広がっている。
まどろむような静寂が私たちふたりを包み込んで、誰かに耳を塞がれているかのように音が耳に入ってこない。
息づかいや瞬きの音、心臓の音までが響いてしまうんじゃないか、と思ってしまうほど静かな道だった。
「はぐれたらもう探せないからな、お前凍死するぞ」



