俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

びっくりして顔を上げると、「大丈夫」と麗音さんが頬をゆるめて笑っていた。



「いいんだよ、たまには迷惑かけても。ちゃんと見ていてくれる大人もいるよ」




大人なんて、大嫌いだった。私のこと何もわからないくせに、勝手に決めつけてきて、大人の言うことは絶対、子供は従えって言ってくる大人が大嫌いだった。

あのとき私をバカにした担任も、私の意見を聞いてくれないいまの担任もお母さんも、私は苦手だった。


それでも私の気持ちと向き合ってくれる大人がいた、包容力があって、言葉に温かみのある大人がいた。





「私のこと甘やかしちゃダメですよ」
「はは、いいんだよ、たまには。サボりも大事」





私はなれるのだろうか。自分を大切にできる人に、自分の価値観を大切にできる人に、自分の気持ちを大切にできる人に、なれるのだろうか。

私は所詮まだ子供だった。だからやっぱり未来なんてわからない。



でもいまの自分の意志を、消したくない、この気持ちは確かだった。




「大人になると時間進むのが早すぎて先ばかりを気にしちゃうけど、どんなときでも大事なのはいま。これは変わらないと思うんだ、俺」