俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

顔を上げると、「うん」と頷きながら「泣くな」と言って蒼太くんが私の涙を掬った。拭われても拭われても、言うことを聞かない私のひとみから次々に私の涙は流れてくる。





「でも、……ありがとな」

蒼太くんが目を細める、目を細めた拍子に彼のひとみからまたひと粒涙が落ちる。




私はいくら感動すると言われている映画を見ても、小説を読んでも泣けなくなっていた。

心が、感情が死んでいるのだと思っていた。



泣いたのは、きっと数年ぶり、最後になぜ泣いたのかも思い出せないほど泣いていなかった。






「もういらないなんて言わないでね」
「うん」



私がいくら思っていることを伝えても、ひとりじゃない、と伝えても彼の傷がなくなるわけじゃない。蒼太くんと出会って、わらったいまでも、泣けたいまでも、私の傷は消えない。

それと同じで蒼太くんが過去に負った傷、傷つけられた身体は簡単に消えるものじゃない。