「お前って免疫ないよな、焦ると口数多くなる」
「そんなことないよ、そういうの興味ないし」



「ほんと可愛げないな」と遠慮なく言われてしまったから「別にいいでしょ」と遠慮なく答える。

彼の隣にいるときは「ああ言わなきゃ」「こう言わなきゃ」、あの言葉を言ったらどうなるんだろう、無駄な心配がなくて。



包み隠さずぶつかってくれる彼に、私は本気でぶつかることが増えた。





「最近当たり強くね?イライラしてんの?」
「蒼太くんのせいだよ、それと寝不足かも」



私だけじゃなくて彼の雰囲気も変わったと勝手に思っている。

最初は冷酷な目、すべてを諦めた目で私を見つめていたのに、最近はすこしだけ、意地悪な笑みのほうが断然多いけれど、笑ってくれる。




「でもやりたいことだからいいんじゃない?」



うん、と返した、そう答えた。それなのに、どうしてこんなにも胸が痛くて息がしにくくなるのだろう。

ぎゅっと締めつけられた胸がいつまでもいつまでも痛かった。