ふたりのやり取りを聞きながらギャップを開けて水を口に入れると、自販機で売っているふつうの天然水が口内に広がって、生き返ったようにスッキリした。
「何話してた?」
「なんでもいいだろ、大人の話だよ、大人、蒼太はガキだから教えねえ」
はあ、なにそれと拗ねた顔をした蒼太くんは勢いよくキャップを開けたけれど、飛び出してきた飛沫が彼のズボンにシミを作った。
「お前、これ振った?」
「振ったかも」
「炭酸振るって」
「間違ったんだよ」
私はポケットからハンカチを取り出して蒼太くんに渡す。
私は言いたいことが言い合えるふたりの隣が心地いいと思う。いらない我慢はしない、次はこう言わなくちゃって考える必要がない場所が心地いい。
「何話してた?」
「なんでもいいだろ、大人の話だよ、大人、蒼太はガキだから教えねえ」
はあ、なにそれと拗ねた顔をした蒼太くんは勢いよくキャップを開けたけれど、飛び出してきた飛沫が彼のズボンにシミを作った。
「お前、これ振った?」
「振ったかも」
「炭酸振るって」
「間違ったんだよ」
私はポケットからハンカチを取り出して蒼太くんに渡す。
私は言いたいことが言い合えるふたりの隣が心地いいと思う。いらない我慢はしない、次はこう言わなくちゃって考える必要がない場所が心地いい。



