私は言葉は人を傷つけるためにあるものだと思っていた。昔の記憶は私を離してくれないし、悲しいことにずっと心に在り続ける。

自分の気持ちを言えば頭ごなしに否定されたこと、存在自体を否定されたこと、私は言葉に傷つけられた。だから自分は相手を傷つけないように、相手に否定されないように、余計なことは何も言わない。


だけど、言葉には人の心を溶かす力もあるらしい。




「まあ若いですよね」
「まだ22です、大学生です」





私に明るい未来は待ってるのかな、幸せになれるのかな、それともやっぱりこういう日々が続いていくのかな、不安しかないし、未来の想像なんてまだできない。

だけど、今日まっすぐすぎる言葉がいつも心に沁みてくる。





口を開こうとしたとき、

「「つめた……っ!」」