基本的に私と蒼太くんで過ごしているけれど、たまに麗音さんがきてくれるから3人で話す、話すと言ってもおしゃべりなのは麗音さんだけだから私たちが反応することが多かったりする。

麗音さんがいるだけで空気が和むし、賑やかになるからぜんぜん嫌じゃない。





「蒼太ー喉乾いたー」
「なんで買ってこねーの?」

「忘れたんだけど」
「バカだな」

「うるさ!」
「じゃあ最初から言うな」




ふたりの会話はいつも優しいなあと、言葉はきついけどそこに優しさや温もりが存在している。

私なら波風立てたくないから、「私が買ってこようか?」って考える間もなく言っていたけれど、ふたりは違って、言いたいことを言い合っているのに、お互い嫌悪感は生まれていない。

雰囲気は柔らかくて、カチカチの雰囲気じゃなくて、やっぱり優しい雰囲気だった。



不思議だ、どうしてだろう。
信頼感なのだろうか、なんなのか、気を遣いすぎる私にはわからない。





「はあ、俺が行くよ」
「え、まじ?」

「いいよ、リハビリ」
「おー助かる」





こないだと同じ状況で私はまた麗音さんとふたりきりになってしまった。



「俺とふたりそんなに嫌だ?」

いたずらっ子のような笑みを浮かべる麗音さんだけど、これは私が緊張しないように空気を和ませてくれているのだと知っている。