俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

"何か"がまた芽を出して、外に出てこようとする。"何か"の正体はわからないのに、蒼太くんの言葉に納得してしまう自分がいた。



「羨ましい……のかな……」
「俺も羨ましかったよ、お前が」

「え？」
「自分と似てるような気がするのに似てない。やっぱり自分と重ねて、同じにしようとしているんだなとか、全然違うじゃんとか。色々考えてた」


聞き間違いだと思い、もう一度聞き直したけれど、同じ答えが返ってきた。

自分と似てるような気がするのに似てない、これは私が思っていたことと同じだった。

表情がたまに重なるのに、言動も行動も全然違って、自分と重ねているだけだって思っていた。



同じことを考えていたのだろうか。




「お前のこと知らなかったから。でもいまお前のこと知って、そう思って接してた自分に腹立った」
「うん」

「お前も自分以外が羨ましいだろ？でもそれは相手の奥深いとこまで知らないから、逆に他のやつもお前の表しか見てないから羨ましいって思うんだよ」



私は人に"良い私"しか見せていない、嫌な私も汚い私も見せていない、見せられない。

それと同じように私以外の人も良い自分を見せて生きているということなのだろうか。