俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

「うん」とやっと発した言葉は驚くほど掠れていて、それでも彼の目を見て返事をすると、こっちを見た綺麗な瞳が私の瞳を捕まえる。


「誰でもさ、陽の部分だけを見せたいし、弱いところ見せたくないんだ。お前がみんな輝いて見えるように、誰かもお前が輝いて見える。陰の部分は隠して笑ってるから」



私に合わせていた目線を下に落とした。「だって、ださいって思うから、弱いところなんて。見せたくねえじゃん」とだんだんと小さくなる蒼太くんの声がなぜか引っかかった。




「だから、みんな自分以外の誰かに憧れるんだろうな」
「憧れる?」

「うん」


不思議な気持ちになっている私に「いまの話聞くと、誰かを羨ましがっているように見えたんだけど」と言った。