俺の前では泣いてもいいよ。【修正中】

不憫に思われるのが一番嫌いだから、そんな顔しないで私のこと笑ってほしいと思っているのに、彼は笑わなかった。




「笑わねえよ、笑うわけねえじゃん、ほんと、無理してんのバレバレ」




「なんで俺が頑張ってるやつ笑わなきゃいけねーんだよ」と言った彼が私じゃなくて、どこか遠くを見つめていた。

強く言い放った言葉を咀嚼すると、初めは聞き間違いだと思ってしまったほど、私の中に刺さった。

なんで、だろう。わからない気持ちが私の中にじわりと広がった。





「頑張ってる？」
「うん、頑張ってるだろ、お前は頑張ってるよ、楽なんてしてねーし、努力してないなんてことはない」





彼の言葉は厳しいときがあるけれど、ちっともトゲはなくて、いつもいつも温かい言葉が私の胸を溶かす。

だから"何か"が顔を出そうとする。