「過去にね、暗いことがたくさんあったの」
「うん」
意外とすんなりと言葉が出た。頷いてくれた蒼太くんを見たあと私はゆっくり話し始めた。抵抗がまったくなかったわけじゃないけれど、彼は私の"良い顔"を知らない。
色々と見透かされているし、みんなに見せている顔と彼にみせている顔は違う。
これはただの建前で、本当は誰かに聞いてほしい気持ちがあったのかもしれない。
ずっと溜めてきた"何か"が出てこようとしていたのかもしれない。
◇
私には昔から才能があった。
人の顔を見て、その人の気持ちを察知してしまう才能、空気を読んでその人がしてほしいように動ける才能、先読みできる才能、と他の人にはない才能が強く根づいていた。
誰かの心の声が手に取るようにわかっていたから、いつも他人の顔色を窺って生きてきた。
人の些細な言葉に傷ついて、誰もが気にしない音、光、人の些細な感情に敏感で、変に感情移入してしまって、自分とその他の境界線が人よりも薄く、どこか普通じゃない自分を不思議に思っていた。
これが空気を読んで過ごしている"ふたつめ"の理由だけど、家庭環境はこの性格をもっともっと悪い方に持っていった。
「うん」
意外とすんなりと言葉が出た。頷いてくれた蒼太くんを見たあと私はゆっくり話し始めた。抵抗がまったくなかったわけじゃないけれど、彼は私の"良い顔"を知らない。
色々と見透かされているし、みんなに見せている顔と彼にみせている顔は違う。
これはただの建前で、本当は誰かに聞いてほしい気持ちがあったのかもしれない。
ずっと溜めてきた"何か"が出てこようとしていたのかもしれない。
◇
私には昔から才能があった。
人の顔を見て、その人の気持ちを察知してしまう才能、空気を読んでその人がしてほしいように動ける才能、先読みできる才能、と他の人にはない才能が強く根づいていた。
誰かの心の声が手に取るようにわかっていたから、いつも他人の顔色を窺って生きてきた。
人の些細な言葉に傷ついて、誰もが気にしない音、光、人の些細な感情に敏感で、変に感情移入してしまって、自分とその他の境界線が人よりも薄く、どこか普通じゃない自分を不思議に思っていた。
これが空気を読んで過ごしている"ふたつめ"の理由だけど、家庭環境はこの性格をもっともっと悪い方に持っていった。



