am9:00

唯斗君と、伊藤さんが回診にきた。

「熱はかってね」
と伊藤さんに言われ、脇に挟む

ピピピッ

ちらっと見て安心してから唯斗君に渡した。
その後も、いつも通り聴診をして、

「予定通り、今日の、昼退院で大丈夫そうだな」
と、唯斗君が言った。

「予定通り?」
そう小さく呟いたが、2人には、聞こえてなかったみたいだった。

「お兄さんには、もう連絡してあるから、それまで、荷物整理してゆっくり待っててね」
伊藤さんが、そう明るく言った。

「次の金曜の16時30分に予約しとくから外来で来るように」
そう唯斗君に言われ、無言で頷いた。

2人が病室を出てから、
言われた通り荷物をまとめた。
それから、看護師の高橋さんを探した。
ナースステーションには、居なかったから、また、非常階段で屋上にいくと、やっぱり居た。


「高橋さん、何サボってるんですか?」
そう、私が言うと、振り返り

「げっ!」
と言われてしまった。

「院内禁煙なんですけど?知ってましたか?」

「あぁ、よく知ってるよ!」
そう、笑いながら言われ、
続けてこう言った。
「で?なに?」

「え?」
とぼけたように私がそう言うと、

「いいよ、なんでも...秘密にしてくれるならさ、
1つだけなら聞いてあげるから、早く言って?」

「えぇーじゃあ、
伊藤さんと、相沢先生って付き合ってますか?」

そう私が聞くと、

「えっ、それ俺に聞くことか?」

「高橋さん以外に聞ける人居ないんです」

「付き合ってるかは分かんないけど、よく一緒にいるし、仲良いのは確かだよ、まぁ付き合っててもおかしくない....かな?...えっ、もしかして、相沢先生のこと...」

「高橋さん、私、彼氏いるんで!
あっ、あと、一服し終わったら、石鹸で3回ぐらいよ〜く手洗った方がいいですよ?」

そう、私はにこっと笑い、
屋上を後にした。


病室に戻る非常階段で、

紗奈にメールを送った。





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