カンナにとって 俺の気持ちなんて 関係ないのか。


カンナの部屋の ブザーを鳴らすと

案外 元気そうな顔で カンナは 俺を迎えた。


「大丈夫か?」

「うん…風邪薬ないから さっき 鎮痛剤飲んだの。熱下がったみたい。」

「何か 食べた?」

「ううん。食べる物ないし。買い物に行くの 面倒だから。」

「じゃ 俺 何か買ってくるよ。何がいい?」

「そうね…うどん?消化の良いものが いいよね。」

「わかった。カンナは 寝てた方がいいよ。」


カンナと2人で 部屋にいることが 嫌で。

俺は 近くの ドラックストアまで 出かけた。


風邪薬や 食べ物を買って

カンナの部屋に 戻る。


カンナは 本当に 具合が悪いのか

俺が 戻ると テレビを見て 笑っていた。


「大丈夫なの?」

「うん。薬が効いたのかな。今は 気分がいいから。」

「じゃ うどん 食べられる?温めようか?」

「お願い。あと 何買ってきて くれたの?」


俺が キッチンで うどんを温めている間

カンナは 楽しそうに 買い物袋を 開いていた。


「奏斗は 食べないの?」

「ああ。俺は メシ食ってきたから。」

「もしかして デート中だった?」

「うん…」

「ゴメーン。彼女 怒ってない?」

「怒ってないよ。俺の彼女 性格良いから。」

「へぇ…そうなんだ。」


カンナは 謝っても 帰っていいとは 言わない。

俺は ぼんやりと うどんを食べるカンナを 見ていた。


「美味しかった。ごちそう様。」

「食べたら 薬飲めよ。」

「うん。ありがとう。」


俺は カンナが食べた うどんを片付けて


「じゃ 俺 帰るから。少し 寝た方がいいよ。」

そう言って カンナの部屋を出た。