「町田さん。俺 ずっと 町田さんのことが 好きだった。これから 付き合ってほしい。」

俺が 告白した時 葉月は はにかんだ笑顔で 頷いた。

「はい。私も 工藤さんのこと ずっと気になっていました。」


真っ直ぐな 葉月の瞳は 澄んでいて。

俺は 嬉しくて 笑顔が 弾けてしまう。


「良かった… 本当は すごく不安だったんだ。」

葉月が 入社した翌年。

二級建築士の 試験に 合格したお祝いに 食事に誘って。


初めて 2人っきりで 向かい合ったのに

葉月との時間は 自然で 寛いでいた。


カンナと別れてから 何人かの人と 付き合ったけど。

俺は 誰にも 本気になれなかった。


カンナのことが 引っかかっていて。

真剣に 付き合うことが 怖かった。


葉月は 初めて 安心して 好きになれた人だった。


男性と女性で 態度を変えないとか。

誰も見ていなくても 手を抜かないとか。


俺は 葉月の外見だけじゃなく

内面にも 惹かれていたから。


性格の良さが 葉月を 輝かせていたから…


葉月は 頑張り屋なのに 抜けていて。

いつも 穏やかで 裏表がなくて。


葉月を 知れば知るほど 俺は 夢中になっていった。