「なんか楽しみで早く目が覚めちゃったんだよね」


「実は、わたしもなの」


「ははっ、気が合うね」


走った後みたいにドキドキして、わたしの笑い声はなんだかぎこちなくなってしまった。


何なのこれ。


まるで血液とは違う何かが身体中を駆け巡っていくような感覚。


胸がいっぱいになって苦しいのに嫌な気はしないなんて。


なんだろう、この不思議な気持ち。


どうしたらいいか分からずに鞄の紐をいじっていると、横からまた声が飛んでくる。


「やっぱり都会からこんな田舎に来たら退屈でしょ。なんにもすることがなくて」


水城くんのその言葉に、わたしは思い切り首を振る。