それから水城くんとの会話はなく、ひたすらに沈黙が続いた。


ザザーッという波の音が気持ちいい。


目を閉じると、水城くんの笑顔みたいに穏やかな気持ちになれた。


時折、鳥の鳴き声が聞こえてくる。


こんなゆっくり流れる時間が続けばいいのに──。


こんなにゆっくりした気持ちになれたのは、いつぶりだろう。


海風が心地いい。水城くんの隣が心地いい。


ふうっと息を吐いたとき。