水城くんは大技に挑戦しようとしているが、なかなか上手くいかないらしい。


わたし……、このままでいいの?


好きな人を応援できないなんて……。


喧嘩中に応援したって聞いてもらえないかもしれないけど。


それでも……。


頑張れ……水城くん。


「頑張れ! ……ち、千尋くんっ」


わたしが名前を呼んだ瞬間、水城くんの乗ったサーフボードは宙を舞った。


「──……」


──ザパンッ!


大きな水しぶきを上げて着水した時、試合終了の合図が鳴った。


「きゃあああっ!」


水城くんは、最後の数秒で難しい大技を見事に決めてみせた。