どんな──?


わたしの知ってる水城くんはミサンガをなくしたくらいで怒るような人じゃなかったはず。


わたしの知ってる水城くんは……隠してた思いにただ1人気づいてくれた人。

ずっと、どんな時も、優しくしてくれた人。

この人に何も隠さなくていいと思った人。


何も、隠さなくていいと……思った人。


そこまで考えて、やっとわたしはハッとした。


そうか。


水城くんが怒ったのは、わたしが水城くんにミサンガをなくしたことを隠していたからだったんだ。


わたし、自分の事ばかり考えてた。


水城くんの気持ちなんて、全然考えていなかった。


わたしならあげたプレゼントをなくされるより、そのことを隠されることの方がずっと悲しい。


そんなことも気づかないなんて。