すごい……。


大会には普段見たことのない人もたくさん参加していて、応援もたくさんいる。


どこに誰がいるか分からなくなりそうなくらい人が多い場所で南ちゃんと麻湊くんと瑠璃について行くのが精一杯だったけど、それでも水城くんのことはすぐに見つけられたわたしには水城くんレーダーでもついてるんじゃないかと思う。


水城くんのサーフィンの技術はずば抜けていて、素人のわたしが見ても技の完成度が高いのがよく分かった。


そんな水城くんだからあっという間に準決勝も通過して、いよいよ次が決勝。


「水城、頑張れよ!」

「水城なら優勝できるよ」

「千尋、ちゃんと約束守ってね」


選手待機場所に水城くんが行く前、みんなが応援する中でわたしは応援をするどころか彼の顔を見ることすらできなかった。


ごめん、と一言。


心の中でこぼした時、決勝のアナウンスがかかった。