そんな生活が1ヶ月ほど続いていた時のことだった。


｢千尋！　サーフィンするよ！｣


瑠璃だった。


瑠璃もサーフボードは持っていたが、うまくできないからとほとんどサーフィンはしていなかった。


そんな瑠璃が、急に俺の部屋に押しかけてサーフィンをしようと言ってきたのだ。


水着でサーフボードを持って、今すぐにでもサーフィンをしようとしていた。


｢ど、どういう風の吹き回し？｣


瑠璃の行動と意味が分からずに俺が混乱している合間にも、瑠璃は俺のウェットスーツとサーフボードを取り出して海へ行こうとしていた。


俺の腕を引っ張る瑠璃に｢今はいいや｣と言った時。


｢いつまでもくよくよしててもしょうがないでしょ！　あんなにキラキラしながらサーフィンをしてた千尋はどこにいったの？　つらくても波に乗るの。千尋が前に進まないと、智也くんだっていつまでも悲しいままだよ｣


いきなり怒鳴った瑠璃には驚いたけど、それ以上にはっとさせられた。