「素通りすればよかったのにね。いや、普段ならしてたんだ。でも……花が落ちて、つい近づいちゃった。」 そう告げたあと、その人の手にはアネモネの花が見えた。 そして彼はその茎の部分を───── 「……だめ…っ!」 ───手折ってしまった。