花野くんの溺愛は密室で。

「結那も俺がすきって言って」
「やだ……恥ずかしいもん」

「俺は言ったのに?結那が急にいじけだしたから」
「いじけてない」



たしかに今日は情緒不安定だった気がするし、いつもは言わないことを言ってしまったけれど、すきを伝えるのは恥ずかしかった。

だけど、言わなきゃまた意地悪を言われることも知っていた。




「すき」

聞こえるか聞こえないくらいの声でつぶやいたのに、そんな小さな声を花野くんは聞き取った。



「照れてる?」

からかいながらも優しく抱きしめ続けてくれる花野くんが私は大好きで、彼の胸の中はどこよりも温かいと感じる。



「うん」
「よく言えました」

「いい子?」
「うん、いい子」