―七月中旬―
あれから寮の食堂の窓際の席は、再び私の指定席となった。
日向は窓際の席に座ることはなく、吉倉と仲良く朝食や夕食を同席するようになった。
私と日向の噂は、いつの間にか社内で囁かれることもなくなり、代わりに吉倉と日向の噂が流れた。
――昼休み、食堂でいつものように四人で食事をする。
「吉倉さんと日向さんの噂、アレは吉倉さん自分で流しているんだよ」
陽乃の言葉に、美空は「バカみたい」と笑った。
食事をしていた留空が突然口をハンカチで押さえ、席を立つ。
「留空?どうしたの?」
席を立ち食堂を飛び出す留空を、私は追いかける。トイレに飛び込んだ留空は、ゲーゲーと嘔吐してる。
「留空、大丈夫なの?まさか食中毒!?」
トイレのドアの前で、私は留空に声を掛ける。
水の流れる音がしドアが開いた。
留空の顔は真っ青だ。
「留空、大丈夫?今日は早退して病院行った方がいいよ」
「……柚葉。もう病院行ったの」
「やだ、だったら無理せず休めば良かったのに」
「病気じゃないから……」
「病気じゃないって?そんなに体調悪いのに……」
留空が私に視線を向けた。
「まだ……望月さんには話してないの。家族にも……話してないの」
留空の不安な眼差しに、鈍感な私も察しがついた。
「留空……もしかして妊娠してるの?」
留空はコクンと頷いた。
初体験から暫く連絡のなかった望月と、一ヶ月後、再び肉体関係を持ったと消え入りそうな声で告白した。
あれから寮の食堂の窓際の席は、再び私の指定席となった。
日向は窓際の席に座ることはなく、吉倉と仲良く朝食や夕食を同席するようになった。
私と日向の噂は、いつの間にか社内で囁かれることもなくなり、代わりに吉倉と日向の噂が流れた。
――昼休み、食堂でいつものように四人で食事をする。
「吉倉さんと日向さんの噂、アレは吉倉さん自分で流しているんだよ」
陽乃の言葉に、美空は「バカみたい」と笑った。
食事をしていた留空が突然口をハンカチで押さえ、席を立つ。
「留空?どうしたの?」
席を立ち食堂を飛び出す留空を、私は追いかける。トイレに飛び込んだ留空は、ゲーゲーと嘔吐してる。
「留空、大丈夫なの?まさか食中毒!?」
トイレのドアの前で、私は留空に声を掛ける。
水の流れる音がしドアが開いた。
留空の顔は真っ青だ。
「留空、大丈夫?今日は早退して病院行った方がいいよ」
「……柚葉。もう病院行ったの」
「やだ、だったら無理せず休めば良かったのに」
「病気じゃないから……」
「病気じゃないって?そんなに体調悪いのに……」
留空が私に視線を向けた。
「まだ……望月さんには話してないの。家族にも……話してないの」
留空の不安な眼差しに、鈍感な私も察しがついた。
「留空……もしかして妊娠してるの?」
留空はコクンと頷いた。
初体験から暫く連絡のなかった望月と、一ヶ月後、再び肉体関係を持ったと消え入りそうな声で告白した。