「お前俺の彼女かよ」

「彼女じゃねぇよ、親友だよ!」

「親友になった覚えねんだけど」

「知らないの?親友って気づいたらなってるんだよ」

「じゃあまだ気づいてねーから帰れや」

「今日は豚汁で決定ね!」

「……」


仕事の準備をしているカッシーが睨んでくるのはシカトして、朝一番のコーヒーを淹れた。

俺の淹れた濃いコーヒーを、なんだかんだでカッシーは朝ごはんの代わりに毎日飲む。


「砂糖いる?」

「いらね」



あの日から1週間。

カッシーの家には色んな人が来る。

みっちゃんだったりむっちだったり、絵の具で染まった南波くんだったり、仕事帰りの若瀬くんだったり律くんだったり。


だけどあれから……

ハナエちゃんだけは、1度も尋ねて来なかった。