「瑛茉〜!!」


「あはは、由紀泣きすぎじゃない?キャラ崩れちゃうよ〜」




最後のHRも終わり、門の前で写真を撮る自由時間。


誰よりも大量の涙を流しているのはまさかの由紀だった。



そんな由紀を優しく抱きしめ、いつもと逆だなぁなんて考える。

ここまで目の前で泣かれると、ついつられてしまいそう。




「珍しいね、天羽さんが泣いてないの」


「あはは、なんでか涙でないんだ。実感湧いてないのかも」



2ヶ月以上前から卒業を感じるだけで泣いていた私は、なんと今日1度も泣いていない。


もちろん、起きた瞬間から寂しいとは思ってた。



でも、これが別れじゃない。終わりじゃない。


みんなのおかげで、そう感じれるようになったから。