いつだって前を見ればたくましくて勇ましい冬夜くんの背中があった。
追いつきたくて追いつきたくて何度も走った。
けれど、年上で温かい彼に追いつくことはなくて。
高校生になって、ようやく追いつけた気がするけどまだまだかな。
2歳離れているから同じ世界にいることが1年しか叶わない。
いつも彼は私より先に次の世界へ行ってしまう。
もっと同じ世界にとどまりたいというのはきっと私だけのわがまま。
小学校を卒業して中学校へ進学するときも、中学校を卒業して受験して高校へ進学する時も。
「友理奈」
「なぁに?」
「今、幸せ?」
「....うん。とっても幸せだよ」
引き取って育ててくれて高校まで通わせてくれて。
もし、施設に引き取られていたらこんな生活は待っていなかった。



