その冬夜くんの想いと両親の気持ちを汲み取って私を引き取ってくれたんだ。



あの時に施設に引き取られずにこの黒崎家に引き取られて、本当によかったと思ってる。



あの日からとても幸せな日々を過ごさせてもらったから。



今の私を見て誰も不幸な過去を背負った人間だとは思わないだろう。



それくらいにいい生活をここ黒崎家で送らせてもらってる。



名字は私の好きな方にしていいと言われたんだ。



正直、黒崎にするか迷った部分もあった。



でも、お母さんとお父さんの子として生まれた三笠家の子どもとして生まれた証を残しておきたかったから。



それに黒崎家の人達と私が同じ名字を名乗っていいか分からなかったのもある。