「誰も....文句はないようだね。その子は私達が責任をもって育てるよ」



自由になった私の手を再び掴んだのは、温かい体温を宿した美織さんの手だった。



「...苦しかったでしょう?もう大丈夫よ。私達と一緒に暮らしましょ」



優しい声で言われて抱きしめられて、温かい温度が伝わってきて、自然と涙がこぼれた。



どうして泣いたのか分からない。



ただ自然と涙がこぼれ落ちた。



たぶん幼いながらに美織さんの底知れない優しさと温かさを感じていたからなのかもしれない。



あれだけおもいっきり泣けたのは、2人が死んでから初めてだったかもしれない。



直感的に思ったんだ。



この人達についていけば私は救われるって。



ー過去回想 END-