【完】BLACK LOVER~甘くて危険な彼の溺愛~




困っている子どもが目の前にいるのに、手を差し伸べることすらできないなんて。



大人達は簡単に子どもを見捨てるのだと。



小学生ながらに私は悟った。



誰も私を引き取らないと結論が出ると、私は....施設に引き取られることになった。



私の目の前に来た喪服を着たこの女の人がきっと施設の人なんだろう。



そんな時だった。



大人達が私を見捨てた時に、声を上げたのは。



「俺が引き取ってやる」



そう高らかに宣言するように言い放った小さな男の子。



見るからに子どもで私と変わらないくらいの年齢に見える。



静かな場で声を上げた学校の制服を着た男の子にみんなの注目が集まる。