「まもなく、13時45分発、ロンドン便の搭乗を開始致します」
と、アナウンスが流れた。
別れの時間を告げている。
「....そろそろ時間だね」
終わってほしくないけど、終わらなければいけない。
「最後に友理奈、顔上げて?」
冬夜くんにうずめていた顔を上げる。
すると、冬夜くんの綺麗すぎる顔が近づいてきて
......私の唇と重なった。
「......じゃあね、友理奈」
私を抱きしめていた腕を離して、彼は置いていたキャリーバッグに手をかける。
冬夜くんと交わした初めてのキスはどこか切なかった。
「冬夜くん、行ってらっしゃい!」
......最後は笑顔で。
私自身ができる最高の笑顔で、最高峰の舞台へ旅立っていく冬夜くんを見送った。