「卒業生答辞。代表、黒崎冬夜」
「はい」
この卒業式の答辞は、成績トップの人が務めるのが慣わし。
この3年間で冬夜くんは一度も1位の座から転落することはなかった。
中間も期末もずっとトップを守り続けた。
和臣さんから課された試練を乗り越えたんだ。
「温かい陽の光が降り注ぎ、桜の蕾が膨らみ始め春を感じる季節に私達は卒業を迎えます」
答辞をスラスラとつまらずに言う冬夜くんはさすがの一言。
こんな大勢の前で、来賓の方々もいる中で物怖じしない不敵さは冬夜くんだから。
誰だって緊張する場面のはずなのに。
来賓の方々も、冬夜くんの答辞に関心しているように見える。



