「ねぇ、冬夜くん。最後のお願い聞いてもらってもいい?」
「いいよ?今日は友理奈の言うことは何でも聞いてあげる約束だからね」
「2人で写真を撮りたいの」
「....写真?そんなことでいいの?」
冬夜くんは拍子抜けのような表情。
「うん。冬夜くんと2人で写真を撮りたい」
この瞬間を一生、残しておくことができるとすれば写真だけ。
今の1場面でもいいから切り取って形あるものとして残しておきたい。
写真に残しておけばいくら時が流れようと鮮明に思い出せるでしょ?
何年たってもこの日のことだけは忘れたくない、色褪せさせたくない。
「そこの写真スポットで撮ろう?」
「いいよ、行こっか」